穂高岳山荘のバンダナのデザインは、ネパールの森と宇宙とつながっている<デザイナーインタビュー> | 穂高岳山荘 公式オンラインショップ

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2020/07/31 15:27

こんにちは!穂高岳山荘公式オンラインショップです。

 

梅雨は明けませんが、暑い日が増えてきましたね。

また、度重なる豪雨で被害を受けられた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。

 

飛騨地方と上高地は7月上旬の豪雨で道路の通行止めなど影響を受けましたが、現在はほぼ復旧しています。

山荘にも被害はなく、7月17日に本年度の営業を開始いたしました。 上高地~涸沢~山荘、山荘~北穂の登山道についても、ほぼ通常通りに通行可能です。

(その他の登山道について、また予約空き状況については、穂高岳山荘公式Webサイトにてご確認くださいませ。本年度は宿泊・テント泊とも予約制とさせていただきます。)


<特集>穂高岳山荘のバンダナのデザインは、ネパールの森と宇宙とつながっている


本日は、穂高岳山荘のバンダナについてのご紹介です。



 

穂高岳山荘のバンダナは毎年人気があり、「素朴で自然への愛がいっぱいあふれる画風が、とても素敵です」という嬉しい声をよく耳にします。

 

実はこちら、かなりロングセラーのデザイン。

 

変わらぬ魅力を保ち続けるこのバンダナのデザイナー、「ゆいガイア」の井林昌子さんに、お話を伺いました。



画・ゆいガイア『beyond of the sky(今回のために、ネパール紙に描き下ろしてくださいました。) 

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−−−本日はよろしくお願いいたします。

 

井林 こんにちは。よろしくお願いいたします。

 

 

穂高岳山荘との出会い。そして再会

 

−−−山荘との出会い、またそのきっかけを教えていただけますか。

ご出身が、穂高岳山荘が事務所を置く岐阜県飛騨市神岡町なのですよね。

 

井林 私は神岡町出身なので、小学校の校歌が「のりくらの山~」という歌詞から始まるほど、北アルプスは身近な存在でした。
 高校生になり、スキー場の今田英雄さん経営のロッジ(*1)でアルバイトをしたときに初めて穂高岳山荘のことを聞いて知り、特に「クラシック音楽が流れる山荘」というお話の印象が残っていました。また、神岡には山の話題が好きな人が多く、いろいろな人が穂高岳山荘の始まりからこれまでのことを楽しそうに話されていたのをおぼえています。

*1 穂高岳山荘先代の今田英雄が経営していた、ひだ流葉スキー場内「流葉ロッジ」。現在は廃業)

 

−−−なるほど、流葉ロッジでアルバイトされていたのですね。穂高岳山荘は、今も神岡に事務所をおき、先代の今田英雄も暮らしています。

 

井林 穂高岳山荘のお仕事をさせていただいたのはその約20年後の2003年でした。私は今、ネパールカレンダーのデザイン輸入販売を行っていますが、当時のカレンダーでヒマラヤ山脈やそこで暮らす民をテーマにデザインをしたものがあり、神岡でも販売していたところ、たまたま宮田八郎さん(*2)の目にとめていただいたことがきっかけでした。宮田さんから「この画風で穂高岳山荘のTシャツとバンダナを」とご依頼されたのです。

*2 当時の穂高岳山荘支配人。https://www.hachipro.jp

 私にとって小さいときから仰ぎ見る憧憬の存在だった北アルプス穂高岳の絵を描かせていただけることに飛び上がるほど驚き、とてもうれしく幸せな気持ちで胸がいっぱいになったことが今も思い出されます。

 

−−−そのように思っていただき、描いていただいたというのを伺えて、こちらこそ嬉しいです!

 

 そして、そのお仕事のあとの2004年に、私は初めての穂高岳登山でようやく山荘を訪れることができました。勇壮な穂高に包まれているしあわせと、この素晴らしい大舞台で販売してくださっている様子を実際に見ることができてとても感動的でした。

 

「ゆいガイア」について

 

−−−「ゆいガイア」の活動について、教えてください。

イラストやデザインだけでなく、海外協力活動もされていたとのこと。

 

井林 私は大学卒業後に横浜の輸入販売会社で民芸雑貨デザイン企画をしていましたが、その後も『絵を描き続けたい』という思いから、会社員時代のノウハウを生かして、1999年にネパールカレンダーのデザイン・輸入販売にて起業しました。

 旅好きだったので、いろいろな国の人々の暮らしや食べ物のテーマを好んで描き、次第にネパールの山歩きにも、はまっていきました。山を歩くと自然やそこで暮らす人々の社会・環境問題がよく見えてくるようになり、絵柄にもそれに対する想いを込めるようになりました。

 

 ところが、2002年、間違ってオーダー以上の入荷があり、大量に在庫を抱え込んでしまうことに。これでは逆に環境破壊をしてしまっていると、自責の念にかられてしまいました。もうカレンダーづくりをやめようとも考えました。

 ですが、カレンダーを手にしてくださった方々のよろこんでくださっている声に励まされ、また、その方々から「ネパールの人々もしあわせになってほしい」というメッセージを受け取ったことで気持ちが変わり、『やめるのではなく、環境を保全する活動をしよう』と、思い立ったのです。

 そうして2003年から、チベット国境近くのロールワリン山脈のふもとで、森に自生している手すき紙原料(ジンチョウゲ、ネパール語でロクタ)を保全して、住民の手すき紙産業の復興と自立を支援するNPO活動を13年間行いました。

 NPOのことは門外漢だった私でしたが、ヒマラヤの森に足しげく通い、自然と向き合いながら山の民と語り明かすことで、貴重な尊い学びを得させていただくことができたと感謝しています。

 

伝統産業の手すきカレンダーは、現地の人々の仕事をうむ

 

−−−ネパールカレンダーについて、詳しく教えてください。

 

井林 ネパールの手すき紙産業は貴重な伝統産業で、家内工業として多くの人々の生活を支えています。カレンダーは、私が原画を描いてネパールに送り、それをもとに生産されています。

 カトマンズでは、女性がカレンダーの着色仕事にたずさわっており、現金収入の担い手となっている人が多くいます。今はカレンダーの半分はシルクスクリーンになっていますが、細かいところはまだまだ手塗りです。近所の人同士と自宅で子育てしながら、おしゃべりしながら、あいた時間に仕事ができることが好まれています。

 カレンダー生産は、印刷から綴じることまでほとんどが手作業なので、休日の赤マルが手押しスタンプのものもあります。

 

イラストに込められた思い

 

−−−井林さんの作品は、どれもあたたかくて、優しくて、自然と一体となったようなものが多いと感じます。

 どのような思いを込めて描いていらっしゃるのでしょうか?

 

井林 どうもありがとうございます。

 私の原風景は飛騨です。今は遠くに暮らしていますが、まぶたを閉じるといつも生まれ育った飛騨の山や森、空の色、自然とともに生きる人々の笑顔が思い起こされ、じんわりと心地よいぬくもりに満たされていきます。

 ネパールの森を歩き続けられたのも、ふるさとの景色と重ねていたからかもしれません。生き物と人と湧き出る自然が美しく調和された飛騨の空気感は、今も私の心の軸にあります。そして、どんな時も、魂がいつもそこに還っていくような気持ちになり、そういうときは、おそれながら、心身とも「自然に生かされている」と感じます。

 このようなつちかわれた想いが、絵を描く私の原動力となっているようです。自然と寄り添いながら、生きとし生けるものの命がつながっていることの尊さを、絵を描くことでだれかに伝えることができたらいいな、と思いながら描いています。

 

荘厳な穂高、四季と「宇宙」のイメージ

−−−『穂高岳山荘バンダナ』のデザインの画について、解説いただけますか。込められた思い・メッセージがあれば、教えてください。

 

井林 バンダナは、「穂高の四季」を表現するということだったので、穂高に生きる動植物を調べたり、四季折々の険しくも美しい穂高の雄姿を写真や映像で観たりしていました。

 そうして次第に、地球が創り上げた偉大で荘厳な穂高の神秘的な存在に私自身も畏敬の念を深く感じるようになりました。そのような気持ちから、中央には「宇宙」をイメージしました。

 

 山が大好きだった私は、穂高と宇宙が連なった世界にどっぷりと入り込んでしまうほど、当時はとても楽しく描くことができました。これを手に取られる方々も、穂高の四季を思い起こされながらじっくりと味わっていただけるとうれしいです。

 

 

まあるくひとつに

 

−−−色々とお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。

最後に、皆さまへメッセージをお願いいたします。

 

井林 さまざまな問題で多くの方々の願いが閉ざされている中で、今この時も大切な命を救うために最前線でたたかっている方々や、人々の想いに応えようとそれぞれの場所で尽力をされている方々に心から感謝申し上げます。そして、山の頂きを目指すように、希望のひかりを探し求めているすべての人がいつかきっと、この道のりを乗り越えてそこに辿り着ける日が来ると信じています。

みなさまの笑顔がつながりあって、地球がまあるくひとつになれますように…私もこころから深く願い続けています。

 

−−−本日はありがとうございました。

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なお、ネパールカレンダーは、ゆいガイアさんのWebサイトにて販売されています。
2020
年の在庫も多少あります、とのこと。
2021
年のものについては、ネパールはロックダウン中なのですが、なんとかカレンダー生産をしてくれているそうです。「どうにか9月初旬までには入荷させたいと思っています。」とのことでした。


また、ネパール支援についてなどのさらに詳しい内容を読むことや、ゆいガイアさんのイラストの紹介も見ることもできます。

 

ゆいガイア Webサイト
https://www.yuigaia.com

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

まだまだコロナの心配な状況も続きますが、とにかく早く梅雨が明けて、カラッとした心持ちになりたいですね。